人と食事をしようとすると動悸や吐き気、めまいなどの症状が出てしまう精神疾患を「会食恐怖症」というのですが、この症状で悩んでいる人は意外と多いです。
そんな会食恐怖症ですが、会食中に症状がもっとも大きくなる瞬間、いわゆる「不安のピーク」は人によって異なります。
会食恐怖症の治療によく用いられる手法に「曝露療法(エクスポージャー法)」というものがあって、私も実践した経験があるのですが、この手法の中でも「自分にとって症状がもっとも大きくなる瞬間」をまずは把握しておくことが大事だとされています。
そのため、今回の記事では私の経験をもとに、会食において不安が最も大きくなるタイミングを紹介したいと思います。
会食恐怖症に悩んでいる人、周りに会食恐怖症の当事者がいてサポートしたい方の参考になれば嬉しいです。
※会食恐怖症の症状が出る具体的なシチュエーションを述べていくため、会食恐怖症に現在悩んでいる方はご注意ください。
不安が大きくなるタイミング① 料理が自分の目の前に運ばれてきたタイミング
もしかしたらこのタイミングが不安のピークである人は一番多いかもしれません。
会食恐怖症の人にとって料理を頼んで待っている時間というのはかなり苦しく、その間に食欲が失せてしまう、それどころか心拍数が上がって冷や汗が出てきはじめるということも珍しくないです。そんな状況下で料理が自分の目の前に運ばれてくるというのは「もう後戻りができない」ことを意味し、さらに目の前に置かれた料理の匂いがさらに吐き気を増長させ、このタイミングで不安のピークが来て吐き気やめまい、パニック発作などが起きてしまうことが多いです。
不安が大きくなるタイミング② メニューを開いたタイミング
基本的には①と似ていますが、料理を頼むかどうかといった意味では、こちらはより後戻りできるかできないかの境界線のタイミングになるので、ここで症状が出てしまうことも多いです。
それと、会食恐怖症が発症するかどうかのタイミングというのは、当たり前ですが基本的に食欲はないので、そんな状態で自分が食べたいものを選ぶというのはなかなか苦痛度が高い作業です。
私も、会社の同僚と3人で食事に行ったとき、メニューを開いた瞬間に症状が爆発して、何も頼まずに帰ったことがあります。
不安が大きくなるタイミング③ 席に座ったタイミング
席に座ったタイミングも症状が出やすい人が多いと思います。
先ほどご紹介した私の例では3人で食事をしようとしていたため、私が帰ったところでさほど大きな問題にはなりませんでしたが、もし2人での食事だった場合、席に座ったタイミングが実質的に後戻りできないタイミングになって、症状が出やすくなります。
ちなみに、ここまで何度か「後戻りできるかできないか」という話をしましたが、「本当はそんなタイミングなんて無い」という考え方も大事だと思います。
例えばジェットコースターの場合だと、一度乗って動き始めてしまうと非常ボタンを押さない限りは降りることができません。非常ボタンを押すのはなかなかに気が引けてしまいますよね。
しかし、食事の場は、最悪いったん席を外してお手洗いに行くという手段があります。これは、一時的に「相手に変だと思われるかも」という不安はあるかもしれませんが、大抵の場合相手もそんなに気にしていないことも多いです。
だから、「たとえ一口も食べられなくてもいいや」「いざとなったらトイレに逃げればいいや」と気楽に考えることが会食恐怖症を克服するうえで重要な考え方になるので、「もう後戻りできない」というふうに考えてしまうのはできるだけ避けたほうがいいと思います。
不安が大きくなるタイミング④ 一口目を食べたタイミング
私が8年前に初めて会食恐怖症を自覚することになったときが、このタイミングでした。なんかわからないけど、ちょっと食べられそうにないな…と思いながら無理やり一口目を食べた瞬間に症状が爆発してしまうあの感覚は今でも忘れられません。
人間の不安のピークは5~20分ほどで収まることが多いと言われているので、症状が出そうなときはできるだけ食べやすいサラダなどから食べ始めるということをすると多少は症状が抑えられることがあります。
とはいえ、何を食べようが症状が出るときは問答無用で出てしまうので難しいところではあります。
不安が大きくなるタイミング⑤ 食事中に無言になったタイミング
ここまで紹介してきたものはいずれも食べる前のタイミングでしたが、たとえそこを乗り越えてたとしても食事中に不安のピークが来てしまうこともよくあります。
食事中に無言になったタイミングで「やばい」「何か話題を出さなきゃ」「退屈に思われているかも」などとぐるぐる考えてしまうと、そこで症状が強くなったりします。実際私も経験があります。
やはり会話を背負いすぎるのは体に毒なので、無言を怖がらない、無言になったとしても「別に自分が悪いことしているわけじゃないしな」と思えるようなメンタリティが大事になってくると思います。
不安が大きくなるタイミング⑥ 食事中に目が合ったタイミング
誰しも子供の頃から「ひとの目を見て話せ」と言われた経験は多いと思いますが、私は物心ついたころからこれに強い苦手意識があって、今でも「頑張らないと」人と目を合わせることができないです。
頑張ったら治るのかなと思って人生生きてきましたが、それをわかっていたところでなかなか簡単に治るものではないです。
そんな人間が食事中に「頑張って」目を合わせると、たまに軽いめまいが来たりします。そして、そのときに既に体調が悪かった場合、雪崩のようにほかの症状が押し寄せてきたりします。
このタイミングで気持ち悪くなる方はそこまで多くないかもしれませんが、もしかしたら共感できる方もいるかもしれないです。
不安が大きくなるタイミング⑦ お店に並んでいる最中
最後ですが、お店に並んでいるタイミングも症状が出やすいです。並ぶ前は比較的コンディションが良くお腹がすいていても、並んでいるうちにだんだん食欲がなくなってきて、店に入るころには体調が悪くなってしまっていることは少なくないです。
先ほどジェットコースターの例を出しましたが、まさにジェットコースターの列に並んでいるときと同じですね。苦手な人にとっては、待てば待つほど不安が増幅していきます。
さらに、並んでいる最中の雑音、外で並んでいた場合は体の冷え、立って並んでいた場合は体力消耗など、コンディションが悪くなる条件が意外と揃っていたりします。
できるだけ並んでお店に入るというシチュエーションは避けたいところですね。
まとめ
今回は、会食恐怖症の症状が出やすいタイミングを私の経験をもとに紹介してきました。
改めて振り返ってみると、会食中はほとんどが症状が出やすいタイミングですね。
それぐらい、会食恐怖症にとって人との食事というのは難易度が高いです。
ただ、会食というのは食べ物やシチュエーション、だれと食べるかによってある程度は難易度を調整することができるので、今から会食の練習がしたいという方は自分なりに難易度が低いシチュエーションを作って練習していただくのがいいと思います。以下に、参考になりそうな記事を貼っておきます。
以上、参考になれば嬉しいです。






