8年前に「会食恐怖症」を自覚してから、私は克服に向けて本当に様々な取り組みをしてきました。
その結果、かつては「席に座っただけで吐きそうになる」という状態だったのが、今では大半の会食場面をなんとか乗り越えられるところまで回復しています。 もちろん今でも完璧ではありませんし、当事者であることに変わりはありません。しかし、これまでの試行錯誤は決して無駄ではなかったと確信しています。
今回は、私が克服の過程で「これは逆効果だった」「やめて本当に良かった」と痛感している5つの行動をピックアップしてご紹介します。
1. がむしゃらな「会食の練習」
会食恐怖症になりたての頃、私は何をすればいいのか分からず、ただひたすらに「人と食事に行く練習」を繰り返していました。いま振り返ると、これは非常に良くない行動でした。
人との食事には、シチュエーションや相手によって「難易度」が存在します。がむしゃらに練習をしていると、準備ができていないのに難易度が高い場面にぶつかってしまい、激しい症状が出てしまいます。 食べられないどころかその場にいられないほどの苦痛を味わい、「またダメだった…」と深く落ち込む。当時の私は、まさにこの悪循環に陥っていました。
おそらく「逃げ続けたら一生治らない」という焦りがあったのだと思いますが、結果的に症状を悪化させてしまっては本末転倒です。
根本的な治療としては、「なぜ会食恐怖症になったのか」を理解し、生活習慣を整えながら、まずは難易度が低いシチュエーションから少しずつ挑戦していくのが理想です。 自分の心身が整うまでは、「どうしても避けられない会食」以外は勇気を出して断る(避ける)ことも、克服への近道になります。
【参考】どうしても避けられない会食の対策
とはいえ、社会で生きていると断れない場面もありますよね。そんな時は以下の対策でお守りを作っておきましょう。
- (嘔吐恐怖がある場合)ビニール袋をポケットに忍ばせておく
- 入店した瞬間に、トイレなど「いざという時の逃げ場」を把握する
- 事前に体を温めておく(温かい飲み物、マフラーにカイロ等)
- 「こうでなきゃダメ」という理想を捨て、自然体の自分をイメージする
- 会話を背負いすぎない(「無言はダメだ」「盛り上げなきゃ」と思わない)
2. 夜更かし
生活習慣の話になると「またその話か…」と億劫になる方もいるかもしれませんが、会食恐怖症の克服において「生活習慣の改善」は絶対に避けて通れない土台です。 ここを疎かにすると、仮に一時的に良くなっても再発する確率が高くなってしまいます。
中でも「睡眠」は最も重要です。 会食恐怖症になる前の私は、しょっちゅう夜通し友人と通話をするような生活をしていました。しかし、夜更かしによる睡眠不足や睡眠の質の低下は、自律神経を乱し、不安を増幅させ、症状を引き起こす「最大の引き金」になります。
今では徹夜や夜更かしは一切やめました。毎日同じ時間に寝起きするのが理想ですが、それが難しい場合でも「夜更かしだけは絶対にしない」と決めるだけでも違います。 生まれつき夜型の方もいるとは思いますが、日中にお仕事をされている方は、睡眠時間の確保だけはなんとか死守していただきたいポイントです。
3. ベッドでの昼寝
睡眠の質を上げるために、もう一つやめてよかったのが「ベッドでの昼寝」です。
平日に仕事で疲れ切り、休日にベッドでがっつり昼寝をしてしまう……私もかつてはよくやっていました。しかし、これをやめたことで、明確に「夜の睡眠の質」が改善されました。
とはいえ、日中の強烈な眠気に無理に抗う必要はありません。ポイントは「熟睡しすぎないように、ベッド以外の明るい場所で仮眠をとる」ことです。
【おすすめの昼寝スポット】
- ソファー
- リクライニング付きのイス
- カーペットやジョイントマットの上
- 机に突っ伏す
- ヨガマット
私の場合は、休日は眠気を感じたら「ヨガマット」に寝転がって仮眠をとっています。これが案外気持ち良くておすすめです。
4. 体を冷やすこと
会食恐怖症の発症には、自律神経が深く関わっています。 簡単に言うと、「交感神経が優位になると発症しやすく、副交感神経が優位になると発症しにくい」という仕組みです。そして、人間の体は「冷える」と交感神経が優位になってしまいます。
そのため、克服を目指すなら「体を冷やすこと」はできる限り避けなければなりません。特に、冷たい飲み物をガブガブ飲んで「体の内側から冷やす」のはNGです。胃腸の血管が収縮し、機能が低下してしまいます。
最強の対策は「白湯(さゆ)」を飲むこと
体を温める対策として、私が圧倒的におすすめしたいのが「白湯」です。 体の内側から直接温まり、胃腸の働きも良くなり、緊張する場面の前に飲むと心がスッと落ち着きます。まさに良いことづくめです。
私は8年前に白湯生活を始めた頃は「朝晩に1杯」程度でしたが、今ではすっかりその魅力に取り憑かれ、1日に1.5リットルもの白湯を飲んでいます。白湯を入れた水筒や保温ポットのことを「相棒」と呼んで常に生活を共にしているほどで、はっきり言って異常者です(笑)。 しかし、それほどまでに白湯は素晴らしい効果があるので、当事者の方にはぜひ一度試していただきたいです。
5. 食べられない自分を責める
最後にメンタルの部分です。 私は長い間、「食べられない自分」を心の中で激しく責め続けていました。その結果、どんどん症状が悪化し、克服が難航してしまいました。
「普通に人と食事ができていた頃に戻りたい」という気持ちは、克服へのエネルギーになります。 しかし、「人と食べられない今の自分は『ダメな存在』だ。あの頃の『ちゃんとした自分』に戻らなきゃダメだ」という考え方は非常に危険です。
これは「今の自分を全否定している」のと同じです。 一番長く一緒に過ごしている自分自身から、四六時中否定され続ける状況は、耐えがたいほどのストレスになります。RPGのゲームで例えるなら、常に「毒状態」になっているようなもので、放っておくと歩くたびにメンタル(HP)がゴリゴリ削られていきます。
目指すべきは、「人と食べられない今の自分のことも許してあげる。でも、人と食べられるようになったらもっと人生が豊かになるかもしれないから、克服に向けて頑張る」というスタンスです。
今の自分を受け入れるのは決して簡単なことではありませんが、自分を責めるのをやめることが、実は克服への一番の特効薬になります。
まとめ
今回は、私が会食恐怖症を克服するために「やめてよかったこと」を5つピックアップしてご紹介しました。
- がむしゃらな「会食の練習」
- 夜更かし
- ベッドでの昼寝
- 体を冷やすこと
- 食べられない自分を責めること
他にもやめてよかったことはたくさんあるので、また別の記事で紹介していけたらと思います。 会食恐怖症の克服は長い道のりになりますが、どうか無理をせず、まずは「自分にできること(やめられること)」から少しずつ始めてみてください。


